芝生/竹森
 
は この目を 閉じるつもりもない
ましてや筆を取り、この怠惰をとぎらせる事など もってのほかだ

髪は風と 肉は土と
そして 骨は 骨こそが、 真昼の怠惰に 充足している
僕は 透明な大気に溶けているはずの 一千年前に歌われた詩句に 耳を凝らしてみる
僕は 僕が葉の表に書いた詩が 土の中へと 還元されていくのを 切望している
僕は このゴツゴツとした喉仏から 水性の綿のような言葉を 綴ってみたい
風のように 急ぎ足で道ゆく人々を すり抜けて 立ち止まらせ
振り返らせてしまう程の 優しい ただ 優しいだけの 音楽を

あぁ だけれども それは正しいことではないのかもしれない
膨大な歴史と言葉が凝縮された この大気が
僕らにとって 透明であり続ける限り
僕らの声が 真っ青な空に 跡形も無く 溶けゆく限り 溶けゆく限り
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