あいつは復讐したがっている/オダカズヒコ
に居座り続けた無意味が
やがて徐々に俺の中で育ち
はち切れるほどの生育を遂げていたのだ
最早
無意味はかつての無意味ではなくなっていた
俺が死ぬときには
そいつに名前をつけてやらなければならない
そう思うほどの愛着と
愛おしさにあふれる存在となり
俺の中の中心で
はち切れんばかりの
生育を遂げるのだ
あいつはやがて俺の中から出ていき
こう思うに違いない
かつて俺が思ったように
世界はどのみち
俺を受けいれることはないだろうと
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