森の詩/竹森
 
太陽があらゆる方位に光線を放つ様を真似て
家中の家具を森に散在させていく

(僕らが親の不在を問わなくなったのはいつ頃からだろう

草がこれ以上伸びられないという高度を確かめる僕らは
木がこれ以上ざわめけば倒れてしまうという振幅を確かめない

(太陽を背に
(爪先を影に浸しながら
(倒木に腰かけた僕らは 誓い合った
(土も草も 日向も日陰も 老いも若さも
(避けないで 真っ直ぐに 歩いていこうね と

板を立て掛けて影を敷こう ピクニックだ
カーテンを縫い合わせて 君は
チェックのスカートを一着こしらえて きた

(こんなにも広大な森に 果て なんてあるのかな
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