夢想と現実の空は/這 いずる
 
くるくると回転する平行
地平線を見失った目
日が昇り落ちて
空間を温めずに消える太陽

静寂
生のない 鳥の飛ばない空

不毛の会話から逃げ出して
不毛のこの宙に来た

私はかつてぼろぼろだった
私はかつて会話に疲れていた
私はかつて青い地球の生から逃げ出した

そのような宙に来た女の末は
前後左右を失って 回転軸を得て
回り始めた先があった

それが私を何処にも行かせようとしない
目眩のような世界に目的地を見つけようとしない
くるくる回る視界が私の安心になる

ただ回る
星が糸を引いて落ちる

ただ回る
電子が混線して酸素が低下していく

ただ回って 夢想する
星と流れる夢を見る
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