涙/葉leaf
こうとする。多過ぎる愛を筋肉や内臓や血や骨を養うのに用い、私は少し大きくなる。多すぎる愛の僅かひとかけらが、私の乾いた欠落を潤し、もはや欠落のない完全な球体が、目の闇から零れる。
つい涙が出てしまうのは、芸術作品のすばやい電気に触れたとき。世にも奇妙な回路が私のなかに幾つも出来上がり、そのうちの一つが強力な電流を流し、私の涙を機械的に流してしまう。芸術作品は私を新しく構成し直すので、私も負けじと芸術作品を逆に構成していく。芸術作品にも既に無数の回路があるため、私はその回路をどこまでも遠くに接続していく。あの雲にでもあの太陽にでも、軽やかに接続していこう。
つい涙が出てしまうのは、大切な
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