バイバイ・エンキドゥ/AB(なかほど)
 

 今
 君が飛び立つ理由を僕は知らない
 君が微笑んでいる理由も僕は知らない
 なあ エンキドゥ
 この世でやるべき事は僕よりも多いはずだし
 この世で愛されているのも君の方だ
 
 生命のエネルギーに充ち満ちていた
 皮膚が白くなってゆき
 その代償に色の無い羽がはえ
 その羽をさすると一瞬だけ消えるのだが
 君はかえって淋しそうな顔になり
 また もとのように

 色の無い羽はやがて翼へと
 そして 広がり
       ゆらぎはじめた


    *******

 精神の世界の中で生きるからって
 それでかっこつけてんの

 あんたがそう
[次のページ]
戻る   Point(11)