新婚生活 (ラフ=テフ外伝 パート2)/オダカズヒコ
なみが、
「誰?」
なんて涼しげな顔で訊いている。
「知らないオッサンが!カモノハシがどーとか言ってるぞ!」
クマはブチ切れたまま、まなみに言った。
「そんなにすぐブチ切れないでよ、まるで輪ゴムみたいに・・」
クマから受話器を受け取ると、まなみはオッサンと楽しげに話し始めた。
「うっそー!?カモノハシが二匹?マジでー、見た〜い。о(><)о」
みたいな会話を、クマは右手の親指を咥えながら、1時間も聞いている。
さらに2時間たったろうか、漸く話が一段落つき、まなみが受話器を置くと、
クマは目に涙を溜めながら、ソファーに横たわってグーグーと寝ていた。
「風邪ひいちゃうぞ」
そう言ってまなみは彼に毛布を掛けた。
「今ね、カンガルーさんから電話だったの。船の上からよ!あなたに、
一番逢わせたい人なの」っと。
彼の寝顔に頬杖をつきながら話しかける彼女。
夕立はなおも強く、マンションの窓ガラス激しく震わしていた。
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