存在の意味は生存の意味には敵わない/文字綴り屋 ひじり
僕だけがみんなと違う
だから寂しかった
どうして違うのか考えてもわからなかった
なんでなのか
終いには考えるのにも疲れた
だから笑えなくなった
友達は言ってくれたよ
一人一人全部違うんだ
俺もお前もみんなも
そうだねって頷いた
頭ではわかってる
みんなそれぞれみんな違うって
だけどなんでこんな風に感じるんだ
疎外感なのか
誰かと一緒じゃなきゃ
僕は安心できないのか
終いには感じるのにも疲れた
だから目を閉じた
でも可笑しいな
君の声が聞こえた途端
心臓がドキドキした
君の姿が見えた途端
顔が赤らんだ
君が近付いてきた途端
大きく息を吸い込んだ
可笑しいな
可笑しいだろ
あんなに疲れてたのに
そんなのどうでもよくなっていた
違ってたっていい
君が僕を好きになってくれるなら
ただみんなと違う僕を
君が好きになってくれるなら
大手を振って僕は宣言するさ
「僕はみんなとは違う」って
可笑しな話だろ
可笑しな男だろ
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