白い幻ちらりほら/
灰泥軽茶
寒くて蒼く光る冷たい夜に
ちらほらちらほら
白い雪が舞う
冷たい風なのに
浮いたり泳いだり
跳ねて回ったり楽しい気分
消えるのは一瞬だけれど
溶けてなくなる白い幻は
きっと叶うだろうと
たやすく考えていた憧れや
頑なに信じていた夢と
同じように
すうっと心に伝い沁みていく
こんな寒い夜に
雪がちらほらちらほら
楽しそうに舞うと
白い幻は一瞬
閃光して
温かい幼さや若さを
降り注いでくれる
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