溺れの海/
這 いずる
息ができるはずもないのに
水に飛び込み 泡を纏って
そのまま底に沈んでしまった
かえりみられない寂しさよ
裏付けのない悲しさよ
私の身体よ
波の少ない底の 底の色
そんなにも暗色に佇んでいる
その色に
沈んで沈んで沈んで沈んで
もう帰ってこないでいいよ
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