ニンゲンのはじまりとおわりについて/大覚アキラ
はじめに世界があり
世界には
あたりまえのように
卵があった
時が満ちて卵は孵り
そこからアダムとイヴが産まれた
アダムと
イヴは
であった次の瞬間には
アタマと
インブになり
互いの欠落した部分を埋めることに夢中になった
その行為にいい加減飽きてきた頃
アタマは頭に
インブは陰部となり
知恵と本能を兼ね備えた一人のニンゲンになった
ニンゲンにとって
世界は
あまりにも広大で
そして
あまりにも美しく
ニンゲンは嘔吐した
絶えず打ち寄せる波のような嘔吐と戦いながら
ニンゲンは
世界をいくつかの細切れにして
いくつかの狭い世界を創って
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