ことば/たけしいたけ
僕らの言葉はいつもすれ違い
間違い
時に伏せられて
それでも繋がりがあった
まあるいもの
尖ったもの
取り留めのないもの
それぞれが何処かを侵し
引き合い
奇妙なこの街を支えていた
机の上の果実がもうすぐダメになるから食べて
上質な和紙のような日差しの朝だった
そっぽを向いたままの腰を持ち上げ
手に取る
壁際の民芸品のビサイな陰に背中をなでられた
野暮ったい味が日常へとかえす波
あまい?
ふつうかな
木樹のほそく伸びた手が
まどの桟によりかかり
外出の手引きをしていた
その小さな期待が大空を回し始める
君はこの瞬間を知っているだろうか
幾度もこの種の共感は失敗に終わった
それでも知っているだろう
君自身も知らない僕のとは違った何処かで
くるぶしの裏側ら辺で
ねぇ、今日は何したい?と問う
きっとそれは僕よりもずっと早く
時間軸の行き違いの間に
言葉による何かと
言葉にならない何かで
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