ポテトチップスな夜/
灰泥軽茶
急いでいるのか
寒くてしかたないのか
女子が小走りしている
大きなショッピングモールを
自転車で横切ると
裸の木々に電飾がいくつも巻かれ
楽しそうに優しそうに
綺麗に輝いている
通りを抜ければ冷たい暗闇
コンビニを見かけるたびに
暖かい何かを探したいのだが
ここで曲がれば
近道良い道と進路を変えれば
マンションの上に
ポテトチップスみたいな満月が
美味しそうにぶらさがっていた
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