銀河/大島武士
終わったと思っていたことが
何度でも返ってくる
時代がふいに変わっていって
時間切れのベルが鳴ったから
時の中に置き去りにして
綺麗な空に吸い込まれた
終わったと思っていたことが
何度でも返ってくる
二十世紀に唱えられた
沢山の机上の空論や
若かりし日に書き留めていた
言葉たちの香りをかいで
海はないけれど
ここは港町で
小さなお祭りが
今でも毎夜繰り返されて
遠い所と交信している
星の彼方と交信している
祭囃子に耳を凝らしては
星の海の中を泳いでいる
同じことを繰り返すけれど
前と同じなのかはわからない
前より深みに潜っているのか
浅
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