葉脈/灰泥軽茶
山を登り汗をかき
服を脱ぐ
上半身裸で
身体から湯気が出る
冷たい風が
木々を揺らし
光がまばたき
葉脈の枯れ葉が
ひらひらひんやりと
肌に沁みこみ
私は透き通る
葉脈のよう
生き物たちの
生命がとくんとくんと
リズムよく流れてきて
私はさかれてほぐされ
丸くて柔らく
ころんころんと
緑の中を遊んでいると
冷たい風が吹き
ちょっと浮き
くるくる回転
くしゅんとくしゃみ
鳥肌の私が居て
そそくさと服を着こむと
全身に血が巡り
赤く染まり
暖かい心地になる
戻る 編 削 Point(9)