春/葉leaf
 
や原形をとどめていない
だが本当は俺の命の方がお前の命より圧倒的に尊いのだ
使い古され歴史が込められ他人の血で塗られた俺の命には
無数の意味と複雑な構造とすべてを象徴する力がある
歴史の中を生き抜いてきた俺の命と
歴史をすり抜けて純粋さを保ったお前の命
ふたつの命が交わるのは余りにも危険で
どちらかが一つの世界を丸々失う
だがなあ、世界など失っていいと思うのだ
ふたつの命がともに触れ合い壊れたとき
そこに生まれる未知の世界
再び生まれた命を共有しながら
俺とお前と新しく生き直そうではないか

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