春/葉leaf
お前は世界中の視線の届かない場所へと
巧妙に自分の命を隠した
俺とお前はたくさんのものを交換した
情報や言葉や表情だけでなく肉体や精神にいたるまで
だが交換が命にまで及ぼうとしたとき
俺の血がお前の命に一滴垂れたとき
急にお前は寒気がしたのだった
世界も宇宙も超えた絶対的な寒気だった
お前はお前自身の命が何物だか知らない
俺は俺自身の命など世俗の襤褸に過ぎないと知っている
俺の命とお前の命では価値が違いすぎて交換できない
お前の命は産まれたての子どものように敏感で尊い
お前の命は因果の隙間を縫って無垢なまま保存されていた
俺の命は壁にぶつかり棘に刺さりもはや原
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