通勤電車/オダ カズヒコ
こちとら迷惑しているのラァ(´・_・`)
という立場を堅持し続けなければならないのだ
断固として
ぼくは地下鉄の中の
このような群衆の愛欲と孤独とを
どちらかと言えば愛している
地下鉄の電車が揺れるたび
その揺れが激しければ激しいいほど
群衆の心理は明らかに屈折していく
あるいはこの倒錯と変態性とを
秩序と制度性によって
定刻通り
駅から駅へと
つまり出発点から目的地まで運んでいくものを
我々は
地下鉄の通勤電車と呼んでいるのである
今日も隙間なく詰め込まれる中央線
駅員がサラリーマンを自動扉の中に押し込んでいる谷町4丁目
通勤電車の中に押し込まれてゆく国益と革命
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