休暇の日には/葉leaf
うに。僕の中を流れる血は、父親と母親のものであり、ひいてはこの国のものであり、僕の生活の証明としてどこまでも流れ続けていく。愛に囲まれた生活そのものであるこの血をひととき外国の全く無縁な液体で置き換えるのだ。家族や友人、同僚、共同体、国家、それらの真摯な愛情に応えるのをひととき休み、瞬間の中にまったく別人である自分を創り出していく、その儚い夢に全存在を燃やし尽くしたい。そこに晴れ上がる新鮮な空虚に再び血を流し込むのだ、僕の創造が瞬間だけ混じった血を。
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