たいこまんじゅう/灰泥軽茶
それは今川焼や大判焼と呼ばれるもの
その店というか屋台のような小屋
初老のおじさんとおばさんが
たこ焼きとたいこまんじゅうを売っている
一個八〇円するけれど
いつも五〇円になったり
黒餡より白餡が好きなのでと注文すると
あんまり作らないからできたてじゃないよと
一個おまけしてくれたり
お代が百万円だったり
おじさんの愛嬌がなにより
あんがたっぷり入っていて
ひとかじりすれば
私のこめかみから
あんがとろりとこぼれ出て
日々心のささくれも忘れてしまい
朗らかに咀嚼する
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