未愛/葉leaf
――K.A.へ
僕たちが出会ったのは、僕たちが調和して更に大きな調和に至るための、必然的な雨降りのようなものだった。眼差しと言葉と語り合いと、全て君は瞬間的で、全て君は消え去ってゆき、でも僕の中に傷のように消えない構造を蠢かせていく。君は笑いかけ、不機嫌で、無表情で、消極的で、積極的で、海のさざめきのように閃いている。
君の方から声をかけられ笑いかけられたとき、世界の配置がまったく逆になってしまったかのように、僕は勝利したが、同時に君に絡め取られた。だが君はためらっているし、僕は迷っている。それぞれの螺旋をめぐって、いつか螺旋が一つの直線になるように、軌道をう
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