夢屑/
小日向 ココ
希望的観測でしか見えない空
その空へと手をかざして見せる
燃え盛る夢の屑が
掌から溢れていく
そのひとつひとつが
生ぬるくてもゆるくても幸せになればいいのに
誰のために涙は流れる
虚空に写し出される偽物の空は
やっぱりそれは偽物でしかなくて
燃え尽きていく夢の屑は
街を灰色に染めていくだけ
涙がまた流れた
いくつもの消えていく夢は
さながら花のようなもので
今また手をかざして
街へと手向けられた
灰色の夢屑
戻る
編
削
Point
(0)