夢屑/小日向 ココ
 
希望的観測でしか見えない空
その空へと手をかざして見せる
燃え盛る夢の屑が
掌から溢れていく
そのひとつひとつが
生ぬるくてもゆるくても幸せになればいいのに

誰のために涙は流れる
虚空に写し出される偽物の空は
やっぱりそれは偽物でしかなくて
燃え尽きていく夢の屑は
街を灰色に染めていくだけ
涙がまた流れた

いくつもの消えていく夢は
さながら花のようなもので
今また手をかざして
街へと手向けられた
灰色の夢屑
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