パンティラタウン/竹森
セメント
トマトを纏う
タウン
マウント
ビルボード
満月の痙攣
満月が痙攣している。さまざまな会社のさまざまな文庫本が
君の名前を模した海岸線。
私がzipをダウンロードしたばかりに。
鉛筆にも喉にもこれ以上削る部分が残されていないので唇を削る。ざらざらとした灰色のコンクリートの壁面に押し当てて唇を削るととても痛い。また、鼻先を押し当ててそれを消しゴムの代わりにする。最後にはコンクリートの平らな壁面の前に、平らな私の顔が向けられている。風がその間を通り過ぎていく。人間が私を恐れて私の背後の遠く反対の壁面に手を添えて足早にしかし静かに歩み去っていく。その足音が風のそれより
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