宴会/葉leaf
一人一人が
一人一人であることを超えて
一つの波打つ連合となり
一人であることを忘れる
言葉は言葉を呼び
笑いは笑いを呼び
そこに何の抵抗もなく
めまぐるしく連鎖する
四人集まって一つの人間ができた
言葉と笑いとまなざしが
骨格と筋肉と神経になって
一つの人間の透明な楽しみの中で
四人は隔たりを忘れる
この小部屋には時間が流れていない
ただの空間のみだ
時間のない空間で四人は溢れ続ける
泉のように滾々と
言葉と笑いと感情を
惜しむことなく溢れ出させ
一つの人間として合流し
一つの人間として流れ落ちていく
酒はそのための
甘くて厳しい電気のような呼び水だ
溢れ続け融合し続ける
四人の境界を鎔かすための
全てを融け合わせるアルコール溶媒だ
時間のない宴席の統合の中で
四人はただ出会った喜びを
親しみ合った喜び
さらに融け合った喜びへと
海のように深めていき
月のように明らかにしていき
夜のように秘めやかにしていく
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