思うだけ/北井戸 あや子
 
あなたがラムネの瓶みたいに
硝子でできていたらいいのにと
ぼんやり思う
ラムネの瓶みたいに
ビー玉を包み込むみたいにして
抱き込む命
それなら少しはマシに思えるだろうと
豆電球の明かりに
伏せた目蓋の血管の透かしを感じながら
ぼんやりと考えつつ
気まぐれな微睡みを待っている

ああ色は薄い薄い青がいいな
浮かぶ静脈をパレットに水で伸ばしたような
そしてビー玉は透ける様な紅
そのからだに内包する鼓動の色
ねえそんなのって素敵でしょう
口には出さず
ただただ思う

もう少しだけは
違う景色を
違う体温を
笑い合っていたいから
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