元日の夜に/草野大悟2
 
えを見通したかのように、三人は、にやにやしながら私を見ている。
 さすがに、龍兵と修三も不気味さを感じ取ったのだろう、「あんたら一体なんなんだ?」
語気を多少荒げて、しかし、慇懃に笑みを浮かべて訊ねた。
「お二人のお顔、ちょっと不気味なものがありますねえ」
 なーにが、不気味なものがありますねえ、だ、田中! それにお前らの方がよっぽど不気味なんだよ! 叫び出したいのを無理に堪えた。
「洋太郎さん、無理はいけませんよ無理は。
思ったことは、口に出さないと、ストレスが溜まります。それが遠因になって心の病気になるケースも多く見受けられますからね」
 くーうっ、こいつ。私は、思わず歯ぎしりし
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