月と炎/草野大悟2
 
しずけさが 
きこえてくるよる
やまゆきをふみしめてあるく 
こころがふたつ

あおく 天空につづくみちのかなたに 
まんまるな月
ダム湖のなかにも
まんまるな月

ふたつが みつめあい
こころと からだが もえあがり
炎となって とけてゆく

はじめてとけあった ふたつは
おたがいのふるさとにくるまれ
ふーっ、と おおきな息をはく
いつまでも いつまでも ひとつになって

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