いつまでも人を憎み続ける/竹森
 
失望ではなく憎悪。愛なんて望んだ事ないよ。本当さ。本当なんだ。どうか信じてくれ。この情景を描くのはこれで何度目だろうか。いつかこの愚行をマスターベーション以上に愛する事ができたら。

どうかお前が俺をいつまでも赦さないでいてくれますようにと、どうか琥珀が世界の終わり方でありますようにと、今日もどこかで胸の膨れたマネキンが盗まれていく。勃起したペニスを深夜の公園のゴミ箱に突っ込めば慌てたゴキブリの群れが俺の影の中で蠢きながら影の外へは出ず、まるで、俺の影に流動の性質を付与するみたく。

スカートとシャンプーハットを間違える無垢さで踊り続ける、かつて少女だったあなたの為に綴り続ける。真っ白な広い部屋で、胸の膨れたマネキンに凭れながら。見渡せば沢山のクローゼット。たくさんの衣服。

穴が在れば挿れたい、今日もどこかで胸の膨れたマネキンが盗まれている。ヴァギナにペニスを突っ込むように、全身を、全熱意を傾けて公園のゴミ箱を漁っている。いつかその汚濁に塗れた掌を再び開く時には、そこに小さな、とても小さな、琥珀の鳥が、孕まれていて欲しい。
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