ことの次第/もっぷ
 
ある春の日のこと
泉から女のひとが姿を現すから
嘘を答えるようにと
茶色の小鳥が教えてくれた
何も代償を求めずに

言われたとおりに
一番尊い値のそれを
わたしのものだと訴えた
女のひとは優しく肯き
この泉をあなたにあげようと
約束して 姿を消した
、以来わたしは泉の畔で
ずっと待っている
水仙の咲くのを


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