齧りかけの林檎という存在-存在論としての齧りかけの林檎-/風船
林檎と言う存在。そこに隠された欺瞞と、思考停止する論理。存在に、論理もしくは思考と表象は挑めるか。存在とは、その断絶に表象は墜落するほかは無い。「存在なんて把えられる論理なんてありえない」と高を括る一般的見解。これも論理に違いないだろうが。存在に向き合う論理ではない。
赤い表皮に、齧りとられてむき出しになった白い果肉。そこから滴る甘い果汁。赤い表皮に覆い隠されたそれら。あるいはそれらを包み隠す赤い表皮。赤く見えるその物体を林檎という。また、その白い果肉、甘い果汁も林檎と言う。林檎という存在はいずれなのか。見える表象が林檎なのか。林檎と言う存在は果たして何なのか。林檎と言う実体は、
「林檎は
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