二百年/大島武士
 
当たり前の日々が
とても壊れやすいものだと知ったなら
二百年後も生きているつもりで
庭の草を抜こう

二百年後も生きているつもりで
上手に身繕いをして
二百年後も生きているつもりで
大事な人たちを笑わして
おいしいコーヒーを淹れよう
とりあえず三年ぐらい先を思って
身につけるべきことをやり続けよう

「明日死ぬかもしれないから」と思い詰めるより
二百年前に創られた曲が
知らない間に僕らを動かしていた
そんな可能性に思いを巡らそう

しわしわになって
愛する人と
二百年前の衝撃を
しみじみと語れるように
しわくちゃになった顔を合わせて
二百年前の願い事が
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