愚者の手に落ちた幸せ/
這 いずる
雛が手の中でちいちいと鳴いている
あたたかく手を打ち
ほのかな振動を伝える
握りつぶせば止まる小さな脈動
頭上でちよちよと響く鳴き声
やめろといやだと
本能から鳴いている
露悪的なわたくしは力を込めた
きいきいとなく子供
ちよちよとわめく親
それは原始的な愛に満ちあふれていて
とてもうつくしかった
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