憧れ/草野大悟2
 
追い求めていたものが
幻だった、とは言わせない
きみは
きみのままに
ぼくのところに
きたんだから。

追い続けていたものが
壊れてしまった
などと
絶対に言わせない

だれにも
なににも
神にさえも

言わせない

なまいき
という
名のきみは
いまでも
生意気か

いまでも
ミニョンのように
誇らしいままか

初めて出会ったふたりのままに

中二の桜は
ぼくには、とっても大きな意味をもっているが
きみには、どんな色をもっているんだろう
あのとき
たしかに
ぼくは
きみと
目が合って

きみの笑顔としろい前歯とショー
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