聖恋/オダ カズヒコ
 



悲しめば
きっとあなたを責めることになるでしょう

そう言ってあの日 
病院のベットの中で
疲れきっている
君を見ていた

たったひとつぶの
サクランボをわけあって
生きてゆけると思ったほど
愛していました

幾億もの夜が
流れているようでして
そこには幾億もの夜が
流れているようでして

いつもどこかで誰といても
何をしていても
君のことを考えているようになっていて

あなたを話すことが
自分と話すことが
新しいものになってゆくとしたら
ふたりはきっと未来をわかつでしょう
未来を持つことでしょう

何もかも見てやる
知ってやる
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