極楽102号室/オダ カズヒコ
”プレイルーム”と書かれてある個室の部屋がチラリと見えた
アソコが極楽の入口だ
中から女の嬌声が聴こえる
馬鹿言わないでよ
私帰るから
女の手を引っ張ると
トカゲはパチンっとビンタされる
ビンタされた拍子に眼鏡が飛んだ
眼鏡はくるくる回り壁にぶち当たった
突き当たりの右側の部屋です
斑毛の猫は言った
白い漆喰の壁
濃い
オイルスティン仕上げの梁
蔓草に埋もれているような湿った空気
プレイルーム102号室と書かれた扉
ここが極楽の入口か?
トカゲは女の手を強く握った
もう
後戻りは無理なの?
女は悲しげにトカゲの顔をのぞき込み
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