月火水木金土日/香椎焚
 


なぁんだ
なぁんだそうだったのか
艶めかしくうねる木目をどこまでも辿って
新しい方程式を編み出そうとしていた
黙ったら押し殺される
黒板と白墨のシンコペーションに

なぁんだ
なぁんだそうだったのか
人のリズムを誰かに伝えたかったのか
無宗教の少女が鐘を鳴らした
隣町の少年が駄菓子屋の前でそれを聞いて
十円玉ひとつ盗んだ、どうしようもない事情で


なんて
なんて美しく小さな世界に繋ぎとめられていただろうーー
そして週末が訪れる、おのおのに
僕の妄想にも安らぎが訪れる
おのおのに、週末
片っ方の靴を隠されたまま
それも忘れてしまって

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