彫る人/葉leaf
 



あなたは毎日同じスーツに心を流し込みながら
あなたの心はスーツやシャツが仕事で汚れるように
社会の密林を探索することで研がれていった
いや、心だけでなく体も、研がれるだけでなく彫られていった
あなたの心身をこの組織が求める美にまで高めたのは
あなた自身の鑿であり鑿捌きだ
かつてとても美しい大きな絵があった
描いたのはあなた だがその大きさと美しさが恥ずかしくて
結局あなたはその絵を人生の地図とはしなかった
実用的でない忘却されるだけの絵であるがゆえに
もはや取り戻しようのない真実で燃えている
そんな絵の上にまっすぐ立ったあなたは
毎日の仕事の成功や失敗に合わせて
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