点と点が線になるだの喚くのはもう辞めにしてくれないか/北井戸 あや子
まったくふざけた存在だ
おまえという奴は
目玉焼きに何故そんな奇っ怪なものをかける
おまえは味付けだとのたまうが
行うそれは紛う事なき冒涜だ
産声をあげることすら叶わずにヒビ割られ
熱したフライ鍋でしこたま焼かれた挙句
その果てこの様に汚濁されるのだから
そう私が口にすれば
おまえは、これは無精卵だ、と
鼻で笑い飛ばすのだろう
まったく
アタマからふざけているな
おまえという存在は
おまえという奴は
さっさと作り上げたその変なモノを
薄っぺらの腹に仕舞ったらどうだ
そうしたところで
おまえが
薄っぺらに腐りきったふざけた存在である事実は
変わりようも無いけれど
……私にもひとつ言わせてくれ
食事の時くらい、真面目に口を使ったらどうだ
一人で食べる晩御飯
窓硝子に映る
出来損ないのナンセンス
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