パラディンは箱庭にて、/ときたまこ
ありふれた優越感も
たわいもない世界征服も
全部彼の中だけで
巡っているものだとして
君が今握っている誰かの右手が
ぼくの手であってほしいと願うばかりだ
誰にだって
世界を救える力があるのに
君にだって
世界を変える力があるのに
崩れゆく空はとても綺麗で
吸い込まれてしまいそうだった
箱庭に詰め込まれたぼくらは
昨日も、今日だって
君の頭の中で動いている。
いつだって
目がけられたフォークを前に
逃げないといけないのは
君の泣きだしそうな顔が
頭からずっと剥がれないからです
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