壁/葉leaf
 



無数のあなたが大きな壁となり
僕はただその壁にもたれかかり
壁の表面のざらつきに音に似たものを感じるだけ
あなたの形は変幻自在で
僕はいくらでも操作できるはずだったのに
もはや受け取る手もなく
話しかける表情もない
一つの大きな壁になってしまった
僕は自分の育てた花をあなたに捧げ
またあなたを理解しようと努めていた
あなたは僕から受け取った花の色を変えて
僕に優しく手渡し僕の通行を許し
またあなたの身体はすべてを透視することを許し
余裕のこもった隙で満ちていた
しかしあなたは一つの単調で難解な壁となり
さらにいうと地球の死骸そのものだった
僕の誠実さはい
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