ある時代の日曜日/番田 
 

選挙に行かずにぼんやりと
家でつけたままのテレビを見ていた僕
チョコレートを かじり そして
時の 流れを 忘れていた

人間はこの街の中から
時の流れがどこへ流れていくのか知っているのだろうか
そんなことを 目の奥で ぼんやりと
考えている 僕がいた

時が やがて 流れた そして
短すぎた 時間の中で 今日も
もう誰かに働いてもらわなくては困るなどとは
あまり思われたくない僕がいる

そして たどりついた 投票所の奥にある
あの ドアの向こうに見えた 下駄箱に
普段は行き交っているはずの学生たちが
熱心に勉強する姿を横目でじっと見ていた


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