手紙 夢/まんぼう2
 
死んだ夢を見た
冬の明るい光の
朝に
死んでゐた
黒い艶やかな石の上に
清めの塩を撒き
白い綿の布ヲ敷いた
弔いの準備に来た姉に
いつ死んだのかと尋ねたら
3時の8分前だったという
影の様な人たちが立ち働いている
誰なのかはもう判らない
部屋の隅の暗がりで
解け出しそうな思いを
腕に抱き寄せていると
すこしづつ淋しくなってきた
湯豆腐や いのちのはての
  うすあかり
万太郎

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