キントンキントン/岸かの子2
 
鴉よ
美しく黒々とした羽を
朝の陽に照らされたお前は
卑しくともこの土地を望んだ
だから生きろ 鴉よ
住みやすいこの土地に
文句を言いながら 黒き羽
舞う 鴉
お前はやってきたのだ
ゴミを啄み
皆から嫌われようと
生きろ 鴉よ
言葉を選ぶな
お前は東よりやってきたのだ
日が昇る棲家から
言葉を選びつつ
終の棲家を求め そして漁っている
生きようが 死のうが
もはや関係などない
嘘をつかない嘴が
朱く染まってゆくほどに
嘯いた罪が印となり体に染み込ませるまで
ゴミを漁り 畑を荒らす
その行為が 鴉よ
お前の生き様

ウソブクカラスハオチテシマエ
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