揺籃/はしごだか
僕は、
この広大な宇宙の端に生まれた、
均一な闇の中の一点のにじみ
等しく連動する暗い水に揺られた、
寒々しい序列の上の不確かなヒズミ
自分で作り出した「生」を生き
自分で作り出した「死」を死に
自分で作り出した悲しみ、
自分で作り出した喜び…
それらすべての意味を忌み、
忌み、
忌みながらも生きながらえる、
冷たい原子の傷に浮かんだ、
夜に染み出す不定形の血うみ
(不明瞭な地図に
振れ動く座標軸
充溢するセロトニン
宙に浮く視聴覚…
僕の宇宙はそれの奥
「無」に浮かぶ視床下部
神経の薮がからみつく
この不細工なシワとカ
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