名刺/葉leaf
 



はじめ名刺は刃のように
私を私から切り離した
名刺の上には私の生首が乗っていて
所属や肩書など嘘ばかりべらべらしゃべる
私は生身の人間だ
そんな機関にはまだ身を任せていないし
そんな偉そうな肩書には反吐が出る
私は腹の底から反論し
白目をむいた生首といつまでも口論した

だがいつしか名刺は葉のように
私という枝から素直に生え出る器官になった
私は生身の人間であるがゆえに
そのような機関と馬が合うし
そのような役割を果たすことに喜びを感じる
私の身体を一枚削れば名刺が生まれ
私は名刺を自分そのものとして沢山の人に与えた
相手の名刺入れには私という人間が
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