賢者の石/成澤 和樹
 
風来の四季が如何なるものか


玉響に滲む光

何人をも詠わせる薫風

筑紫恋しい蝉法師の鳴く声

月冴ゆる日に舞い散り踊る紙吹雪


詠い人を饒舌にさせる風月よ

其れよりも、傍(はた)に潜む一石が美しい

物言わぬ、さりとて雄弁な、ただの石が美しい

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