星石のこえ/クロヱ
 
あたしは至極当然な質問を投げてしまった

「こんな夜だった」
今度は 背を向けて言い放った

あたしが 二度目の質問をしようとしていると
彼は光の渦となって 空に吸い込まれていった

天井を見上げて 目を凝らし 探し物をしている
そんなあたしが映る 小さな川のほとりがあることに気付いた

小川にも 天井が映り 綺麗な光の転々がコツコツしていた
さすがに上も下も探すのは難しいと思い ふうと溜め息をついた

仕方なく 遠い昔に彼が落ちた場所
そこにある綺麗な石を小瓶に詰め 帰ることにした

帰りの道も あたしは鼻歌を唄っていた



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