星石のこえ/クロヱ
 
ある夜 それはそれは窓の会話がひどくうるさい夜に
乱暴な風に乗り なにかが天井から落ちてきたようだった 

パーンと心地の良い音を鳴らし 森丘の低い頂上にやってきた
あたりは靄がかかるように 焦げ臭い気がした

鼻歌交じりに駆けて行くと 
円があり その中心に丸いものがいた

初めて見たその物体に (しかし内心では再会の気分だった)
心底 興奮をしていたので 一目散に近くに翔けて行った

「やあ! こんばんは!」
遠くを見やる彼の興味を引こうと 大声を出した

「きっと こんな夜だったよ」
彼は 口も動かさず言った

「えっ なにがだい?」
呆気に取られ あた
[次のページ]
戻る   Point(2)