波とオコジョ/藤鈴呼
 

それは 難件なのでしょうかと
気になって 仕方無いのです

こんなにも欲した 動物の森で
刺身の盛り合わせに 舌鼓を打っている
ねえ あと なんぼの波を越えたら
青空が 見えるんですかい?
呑気な声で オコジョが 呟いた

その姿すら 飛沫と混ざり込み
良くは 見えないの
声だけを 便りに
あと どのくらい歩いたら
辿り着くのでしょうね
夢の 小島に

小皺ばかりが 増えるような 気がしてね
細い毛先を 弄ぶように
暇つぶしグッズを 探してる
車窓から見える風景は いつだって違うのに
どうして 飽きてしまうのかが 分からない

同じ 人間なのに
こうも 言うことが 統一されてしまうと
面白味が 無いんですよ
調味料と 一緒でね
たまには スパイス 入れないと
辛くったって 苦くったって 甘くったって
旨味には そりゃあもう 遠いんです

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