Friends/桂
Friends
仕事帰り去年と同じジャケットを着ているのに今年は何故か中綿抜けたみたいに感じる
画鋲が外れて空に舞っていた無数の広告に自分達を重ねるなんて
笑えよ 僕は弱気になってる
最近じゃ新しいDVD よりクラシックなDVD ばかり
目の前の光景にまだ慣れなくて
TSUTAYAのレシートに印刷されたスタンドバイミー
ホント冗談じゃなくて
身を裂くような寒さから逃げるようにペダルを漕いでる
エイリアンと人差し指を合わせるより
ずれてしまったお互いの時計の針を合わせる方が難しい
君の人差し指だけがやけに光って見える
ホント忙しいばかりで愛想のないET
予定がついたらまた教えろよ
携帯を切って
誰になく友達って何なんだろ?
って尋ねる
するとそれに答えるかのように立ち漕ぎでペダルを漕ぐ少年が僕を抜いていった
彼の両輪の浮いたコマ付き自転車を見て思わず吹き出す
そうかい
離れていれも 信じていれば救われる
僕は君を信じてこのまま月まで登っていくとしよう
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